2010年10月01日

戦時中の通信簿

珍しい、古い通信簿を譲ってもらった。



昭和19年。
終戦の前の年に、初等科第一学年に入学した生徒のものである。



「通信簿閲覧上ノ参考事項」として、
一 国民学校ノ教育ハ皇国ノ道ニ則リ知行一如心身一体ノ教育デアリマス。
から始まり、優良可の基準の説明に及んでいる。





当時の科目は、
国民科として、修身、国語。
理数科として、算数、理科。
体錬科として、体操。
芸能科として、音楽、習字、図画、工作 となっている。





それが、終戦後しばらくたって、
初等科第四学年のとき科目が変わったようで、紙が貼られて直されている。

修身、習字がなくなり、社会、自由が増えている。
体操は体育に、図画と工作は図工に統一され、
また、国民科などの教科の括りも無くなった。






今と同じ通信欄もあって、先生のコメントが書かれている。

優や良上の多い優秀な生徒だが、
コメントによると、やや頑固なところもあったようだ。






この記録から66年経った今、彼はどんな人生を送っているのだろうか。
色褪せた通信簿を眺めて、想いを馳せる。