2014年04月15日
新 世界の路地裏
世界中にはあらゆる国があって、都市があって、街があって、幾多の歴史を経て今、存在している。そして、街の片隅には必ず人々が暮らす路地裏がある。
狭い路地の両側に立ち並ぶ、歴史と風土を反映した古色蒼然たる建物。そのひとつひとつの窓に、ひとりひとりの生活がある。そんな当たり前の事実を、路地裏の風景は思い出させてくれる。
そこにあるのは暖かな幸せだろうか?それともやるせない寂しさだろうか?ふだんは考えもしないことを思うのも、路地裏が人々の生活に密着し、独特の雰囲気を醸しているからに違いない。
〈中略〉
もちろん人はいつも旅に出ていられるわけではないし、世界中のすべての国に行けるわけでもない。誰もが同じように路地裏の我が家を持ち、日々を暮らしているからだ。
だからこそ、こうしてさまざまな国の路地裏の断片を垣間見ることで、旅したときの感触を思い出し、心に浮かんだ想念を呼び起こし、人はまた、遠い空を旅するのかもしれない。
『はじめに』より抜粋
以前紹介した写真集、『新 日本の路地裏』の姉妹編 『新 世界の路地裏』。
ヨーロッパを中心に、世界各国の路地裏の写真が紹介されている。
行ったことのない街の路地裏が、とても身近に感じられる不思議な写真集である。

路地裏にはひとの息遣いが感じられる。
少し歩けば、誰かが買い物籠を提げてふと現れたり、犬が横切るのを見かけたりするだろう。
子供の歓声や、夫婦げんかの罵り声まで聞こえてくるかもしれない。

いつかトラベラーズノートを持って、こんな街の路地裏に迷い込んでみたいなあ。