2011年06月09日
コルトレーン
俺は、波の音とBGMに耳を傾けた。コルトレーンのバラード。それがよく波と調和していた。海岸に人影はない。きれいな砂浜だから、夏は海水浴場になるのだろうか。
北方謙三 『残照』より
コルトレーンの『バラード』というアルバムを知った。


サクソフォンの音色に惹きこまれる。
『黒銹』では、コルトレーンの興味深い逸話も紹介されている。


そんな中、size…antiqueでコルトレーンのレコードを見つけた。

レコードはまたひと味違う。
「そうだ、京都に行こう」
2011年06月08日
枯れて行くということ
人生まだ半ば過ぎ。
奥から3番目というところだろうか。

3番目から4番目へ。
従来の自分にとらわれず、変化して行く。
角は取れ、こだわりを捨て、芯だけは残る。
枯れて行くということ。

まだまだ修行は続く。
奥から3番目というところだろうか。

3番目から4番目へ。
従来の自分にとらわれず、変化して行く。
角は取れ、こだわりを捨て、芯だけは残る。
枯れて行くということ。

まだまだ修行は続く。
2011年06月07日
小さなランドセル
こんなに小さなランドセルに
一体何を入れていたというのだろうか

小さいくせにちゃんと革で丁寧に作られ
その姿はあまりにも端整である

恐らくは戦前に使われ
その使われていた期間はごく短く

むしろ静かに眠っていた時間の方が
遥かに長かったことだろう

そしてその時間がこの佇まいを創りだしたのだろうか

この小さなランドセルには入りきらない
夢がたくさん詰まっている

一体何を入れていたというのだろうか

小さいくせにちゃんと革で丁寧に作られ
その姿はあまりにも端整である

恐らくは戦前に使われ
その使われていた期間はごく短く

むしろ静かに眠っていた時間の方が
遥かに長かったことだろう

そしてその時間がこの佇まいを創りだしたのだろうか

この小さなランドセルには入りきらない
夢がたくさん詰まっている

2011年06月06日
size的ヴィンテージデスクライト
古道具は、その本来の役目のまま使うことが一番だと思っている。
だがしかしそれが叶わなくなったものにも、新たに相応しい活躍の場を与えることができたら素敵である。
そしてそれがやけに美しかったりするのである。

size…antiqueの手によるデスクライト。

電笠には自転車の前照灯を使い、
古く錆びたトースカンをスタンドにしている。
トースカンを使うことで、照らす高さや角度の調整まで出来る。
ネジや留具や電球等、細部までこだわって作り上げた逸品である。
唯一未完成だったプラグ部分には、以前やはりsize…antiqueで譲っていただいた、
50年代のアメリカの MONOWATT Quick clamp PLUG を取り付けた。
書斎に小さなあかりを灯す。
古道具に新たな生命が宿った瞬間。

だがしかしそれが叶わなくなったものにも、新たに相応しい活躍の場を与えることができたら素敵である。
そしてそれがやけに美しかったりするのである。

size…antiqueの手によるデスクライト。

電笠には自転車の前照灯を使い、
古く錆びたトースカンをスタンドにしている。
トースカンを使うことで、照らす高さや角度の調整まで出来る。
ネジや留具や電球等、細部までこだわって作り上げた逸品である。
唯一未完成だったプラグ部分には、以前やはりsize…antiqueで譲っていただいた、
50年代のアメリカの MONOWATT Quick clamp PLUG を取り付けた。
書斎に小さなあかりを灯す。
古道具に新たな生命が宿った瞬間。

2011年06月05日
珈琲割り!?
今回の鳥仙珈琲は、『sweet & bitter ブレンド』。

普段は夏でも珈琲はホットと決めている。
アイスは考えたこともなかった。
ところが、このブレンドはアイスにもいいという店主。
じゃあ、ということで美味しいアイスコーヒーの淹れ方を教えていただいた。

早速、教わったとおりにやってみる。

素早く素早く。
うん。
アイスコーヒーもこんなにいい香りがするんだ。
かなり美味い。

キンミヤが合う。
いいこと教わった。

普段は夏でも珈琲はホットと決めている。
アイスは考えたこともなかった。
ところが、このブレンドはアイスにもいいという店主。
じゃあ、ということで美味しいアイスコーヒーの淹れ方を教えていただいた。

早速、教わったとおりにやってみる。

素早く素早く。
うん。
アイスコーヒーもこんなにいい香りがするんだ。
かなり美味い。

キンミヤが合う。
いいこと教わった。
2011年06月04日
2011年06月03日
二枚の名刺
真夏の午後の日差しが容赦なく降り注いでくる。汗は手拭などでは追いつかず、首筋からワイシャツの背中まですっかりぬらしていた。思えば朝から重いカバンを提げて歩き詰めだったのだ。
俺はたまらず木陰のベンチにカバンを投げ出し、どっかと腰を下ろした。
俺はある清涼飲料水メーカーの営業マン。先輩から譲ってもらった社名入りの革カバンにサイダーのサンプルを詰め込み、街の駄菓子屋やスーパーマーケットを歩いて廻る。言ってみれば、バカ暑いこの真夏が稼ぎ時というわけだ。休日返上もこの時期には当たり前。営業経験のまだ浅い俺に与えられた試練というヤツなのだと半ば諦めている。
俺はすっかり重くなった手拭を絞り、首筋の汗を拭った。
その時だった。
「あれ?S、Sじゃないか?」
声がした方に顔を上げると、そこに二人の男が笑顔を俺に向けている。
「何だ!AにKじゃないか。久しぶりだなあ。」
俺はすっかり垢抜けた二人に驚きながらも、懐かしさに頬を緩めた。
「高校卒業以来だぞ。」
「そうなるかなあ。」
「そうさ。ところでお前、今日の同窓会どうしたんだ?」
そうだ。今日は高校卒業後3年目にして初めての同窓会がこの近くであったのだ。
どうせこの時期、日曜日とはいえ休めないことは分かっていたので欠席の返事を出してあったのだが、それが今日というのをすっかり忘れていたのである。
仲のよかった仲間がそろって大学へ進学する中、俺だけが家庭の事情で就職せざるを得なかった後ろめたさがなかったかといえばそれはうそになるのだろうが。
「そうか今日だったな。まだ下っ端なんで、日曜でもこの調子なのさ。」
「大変なんだな。みんなお前に会いたがっていたぞ。」
少し話せば3年の溝などあっという間に埋まるものだ。
暑さも忘れしばらく昔話に花を咲かせたり、彼らの将来の夢なんかを聞いた。
Aは東京の一流大学の工学部で学んでいるらしい。
「俺はいつか街をひとつデザインしてみたいんだ。」
Kは千葉の商科大学で商売の勉強をしているという。
「俺は将来は地元に帰って、ふるさとの木を使って商いをしようと思う。」
熱く語る二人の夢を、俺はただ頷いて聞くしかなかった。
今日のうちに下宿に戻るというふたりが汽車の時間を気にし始めたのを潮に、俺たちは腰を上げた。
そして、別れ際に二人はそれぞれ名刺を手渡してくれた。
どちらも名前の横には堂々と大学の名前。そして下宿の住所と並んで、ふるさとの実家の住所も刷り込まれていた。

足早に去ってゆく二人の背中を見送って、俺は2枚の名刺をカバンのポケットに放り込んだ。
そして、1本だけ残っていたサンプルのサイダーの栓を抜き、すっかり温くなったやつを飲みながら思った。
「俺の夢って何なんだろう。」
しかしそれは、やけに泡の立ちすぎるサイダーのように頭に浮かんでは消えてゆくのであった。
俺はたまらず木陰のベンチにカバンを投げ出し、どっかと腰を下ろした。
俺はある清涼飲料水メーカーの営業マン。先輩から譲ってもらった社名入りの革カバンにサイダーのサンプルを詰め込み、街の駄菓子屋やスーパーマーケットを歩いて廻る。言ってみれば、バカ暑いこの真夏が稼ぎ時というわけだ。休日返上もこの時期には当たり前。営業経験のまだ浅い俺に与えられた試練というヤツなのだと半ば諦めている。
俺はすっかり重くなった手拭を絞り、首筋の汗を拭った。
その時だった。
「あれ?S、Sじゃないか?」
声がした方に顔を上げると、そこに二人の男が笑顔を俺に向けている。
「何だ!AにKじゃないか。久しぶりだなあ。」
俺はすっかり垢抜けた二人に驚きながらも、懐かしさに頬を緩めた。
「高校卒業以来だぞ。」
「そうなるかなあ。」
「そうさ。ところでお前、今日の同窓会どうしたんだ?」
そうだ。今日は高校卒業後3年目にして初めての同窓会がこの近くであったのだ。
どうせこの時期、日曜日とはいえ休めないことは分かっていたので欠席の返事を出してあったのだが、それが今日というのをすっかり忘れていたのである。
仲のよかった仲間がそろって大学へ進学する中、俺だけが家庭の事情で就職せざるを得なかった後ろめたさがなかったかといえばそれはうそになるのだろうが。
「そうか今日だったな。まだ下っ端なんで、日曜でもこの調子なのさ。」
「大変なんだな。みんなお前に会いたがっていたぞ。」
少し話せば3年の溝などあっという間に埋まるものだ。
暑さも忘れしばらく昔話に花を咲かせたり、彼らの将来の夢なんかを聞いた。
Aは東京の一流大学の工学部で学んでいるらしい。
「俺はいつか街をひとつデザインしてみたいんだ。」
Kは千葉の商科大学で商売の勉強をしているという。
「俺は将来は地元に帰って、ふるさとの木を使って商いをしようと思う。」
熱く語る二人の夢を、俺はただ頷いて聞くしかなかった。
今日のうちに下宿に戻るというふたりが汽車の時間を気にし始めたのを潮に、俺たちは腰を上げた。
そして、別れ際に二人はそれぞれ名刺を手渡してくれた。
どちらも名前の横には堂々と大学の名前。そして下宿の住所と並んで、ふるさとの実家の住所も刷り込まれていた。

足早に去ってゆく二人の背中を見送って、俺は2枚の名刺をカバンのポケットに放り込んだ。
そして、1本だけ残っていたサンプルのサイダーの栓を抜き、すっかり温くなったやつを飲みながら思った。
「俺の夢って何なんだろう。」
しかしそれは、やけに泡の立ちすぎるサイダーのように頭に浮かんでは消えてゆくのであった。

2011年06月02日
黒いカバン
泉谷しげるの歌に出てきそうな黒いカバン。

革張りで、かなりしっかりとした作りである。
恐らく戦前のものと思われるが、状態もいい。
両脇にも留具が付いているので、型も崩れにくいのだろう。
所々擦り切れたり色褪せたりした革の感じが、味のある表情を醸し出している。

中を開けると変わったネームタグが貼られている。

『ーダイサ姫月』?
今では聞かないが、明治時代に豊橋で創業された会社のようだ。
その月姫サイダーの営業マンが持ち歩いたものなのだろうか?
RERA RERA RU.にて一目惚れして譲っていただいたのだが、
後で中をよく調べてみると、ポケットに何か入っているのを発見!!

古い名刺が二枚。
やはり、このカバンにも物語があったのだ。
続く・・・。

革張りで、かなりしっかりとした作りである。
恐らく戦前のものと思われるが、状態もいい。
両脇にも留具が付いているので、型も崩れにくいのだろう。
所々擦り切れたり色褪せたりした革の感じが、味のある表情を醸し出している。

中を開けると変わったネームタグが貼られている。

『ーダイサ姫月』?
今では聞かないが、明治時代に豊橋で創業された会社のようだ。
その月姫サイダーの営業マンが持ち歩いたものなのだろうか?
RERA RERA RU.にて一目惚れして譲っていただいたのだが、
後で中をよく調べてみると、ポケットに何か入っているのを発見!!

古い名刺が二枚。
やはり、このカバンにも物語があったのだ。
続く・・・。
2011年06月01日
スコッチウィスキー RED SEAL の古いポケット瓶

古いウィスキーのポケット瓶。
一瞬、新しいものと見違えるほど色鮮やかである。
しかし、いくつも見られる瓶の気泡は古い手吹きガラスの特徴だ。

虫食いだらけのラベルには『RED SEAL』のブランド名。
スコットランドはグラスゴー産のスコッチウィスキーである。


そして古い瓶には珍しく、ちゃんと箱に入っている。
これがまた、超渋い。


虫食いアートとでも言ったらいいのか?

中身も飲んでみたかったなあ。
久々にRERA RERA RU.にて。