2010年12月14日

アストロ燈

大正11年、東洋電氣株式會社の大ヒット商品。
『アストロ燈』





残念ながら商品そのものは現存しないが、本体を収めていたボール紙製の箱と、
「アストロ読本」なる付属の小冊子のみが残されている。







この商品、外見は家庭用の懐中電燈と同じでありながら、
その効果は正反対。

なんと、闇を照らすものでなく
闇そのものを発生させる装置なのである。

スイッチを入れると、そこの光を吸収し
ダークゾーンを作り上げるというものらしい。

その用途とは・・・・・・。





クラフト・エヴィング商會著 『どこかに〇いってしまった〇ものたち』より。



アストロ燈を始め、様々な、どこかへいってしまったものたちが紹介されている。

どこかへいってしまう前に、そもそも存在していたのかどうかは分からないままだ。





ポケットに忍ばせる「夜」。
「明るさ」に疲れた時、
拡がりゆく闇は、やさしく甘くなつかしい。



  


Posted by kaz at 22:06Comments(0)本 雑誌