2012年01月25日

寅さんに学ぶ 「今、幸せかい」


夕刊を読んでいたら、ひとつの記事に目が留まった。

“悩める30代 寅さん 癒す”
“「女もつらい」時代の手本に”





今、30代の女性を中心に、『男はつらいよ』の寅さんが注目されているという。

丸の内朝大学では、「『今幸せかい』寅さんに学ぶ、幸せな生き方」と題した連続講座なども開かれたようだ。山田洋次監督も講演をしているのには驚いた。
30代の働く女性向けの雑誌「ドマーニ」でも寅さんから学ぶという特集が組まれたらしい。



寅さんの女性に対する、時に度を越した優しさや思いやり。
おいちゃんに「ばかだねえ」と言わしめるほどの、過剰なまでのいたわりの精神。
それが、現代の女性に心地よく、癒されるのだろか。
また、寅さんの自由奔放な生き方が、片意地張って生きようとする頑なな心をほぐしてくれるのだろうか。

いずれにしても今の世の中、正に「女もつらいよ」なのであろう。





ほら、いい女がいるとするだろう。
男がその女を見て、
ああ、この女を大事にしたいなあ
そう思うだろう、それが愛じゃねえのか。         第36作 柴又より愛を込めて


おい、リリーよ、いやなことは忘れてさ、俺と飲もう。   弟11作 寅次郎忘れな草


俺には、むずかしいことは、よく分かんないけどもね、
あんた、幸せになってくれればいいと思ってるよ。     第16作 葛飾立志篇


だから何とかしてやりたいんだよ。
何の不自由もなく結婚めあてのOLなんかじゃないんだから。 弟35作 寅次郎恋愛塾


いいかい恋なんてそんな生易しいもんじゃないんだぞ。
飯食う時だってウンコをする時だって、
いつもその人のことで頭がいっぱいよ、
何かこう胸の中が柔らかァくなるような気持ちでさ、
ちょっとした音でも、
たとえば千里先で針がポトンと落ちても、アッーとなるような、
そんな優しい気持ちになって、もう、
その人のためなら何でもしてやろう、命だって惜しくない、
寅ちゃん、私のために死んでくれないって言われたら、
ありがとうと言ってすぐにでも死ねる、
それが恋というもんじゃないだろうか、
どうかね、社長。                    第10作 寅次郎夢枕


あたしね、寅ちゃんと一緒にいるとなんだか気持ちがほっとするの。
寅ちゃんと話していると、ああ、あたしは生きているんだなって、
そんな楽しい気持ちになるの。
寅ちゃんなら一緒に暮らしてもいいって、
今ふっと思ったんだけど。                第10作 寅次郎夢枕


寅さんと話してるとね、
私が一人の女だってことを思い出すの。          第40作 寅次郎サラダ記念日


そんな人生もあるのねえ。
明日何をするかは明日にならなきゃ決まらないなんて、
いいだろうなぁ                     第31作 旅と女と寅次郎


ほら、みな、
あんな雲になりてえのよ。                第9作 柴又慕情